意見 令和06年10月18日定例会

2024/10/18

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項目

 

意見

総選挙について

川上こういち 議員

  日本共産党世田谷区議団は、令和五年度世田谷区一般会計、介護保険事業会計、学校給食費会計の決算認定に賛成、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の決算認定に反対の立場で意見と要望を申し述べます。

 最初に、総選挙が公示されました。自民党、石破政権ができてから僅か二週間での総選挙です。石破首相は、自民党総裁選時には早期解散に慎重な姿勢を示していましたが、自らが総理に就くやいなや、これを覆しました。裏金、統一教会に一切手をつけず、物価高騰には無為無策、大軍拡と憲法九条改憲に突き進む姿勢を見れば、誰が首相になろうと自民党は変わらない、このことが既に明らかになっているのではないでしょうか。

 日本は、自公政権の下でジェンダーの問題でも世界から大きく遅れています。若者と高齢者の分断が進められています。日本共産党は、男女賃金格差是正、LGBT平等法の実現で自分らしく生きられるジェンダー平等、若者か高齢者かどちらかではなく、誰もが人として大切にされる社会の実現のために力を尽くします。裏金政治の大掃除を行い、大企業、大金持ち優遇から国民の暮らし最優先にチェンジ、憲法九条を生かした平和外交を推進する政治の実現へ全力を挙げます。人間の自由が豊かに花開く社会を目指します。

 世田谷区令和五年度決算での執行残は約二百二十六億六千三百万円、翌年繰越財源を差し引いた実質収支は約百十一億円となりました。年度末における基金残高は約千四百七十億円で、特別区債残高四百八十一億円です。引き続き区の財政は健全な状況です。今年度より、生活保護世帯からの大学や専門学校への進学を応援するため返済不要の奨学金制度を創設し、子育て世帯への住宅支援も行うことが示されました。物価高騰の長期化に対して、区民生活、事業者支援のために財源の積極的な活用を求めます。低所得者、高齢者、生活保護世帯な、深刻な生活困窮者対策、三食の食事も取れない子どもの貧困対策に引き続きしっかりと取り組むことを要望します。

区政の重要問題について

川上こういち 議員

 続けて、区政の重要問題での提案、要望を申し述べます。

 平和についてです。

 この十年間で、集団的自衛権の行使容認、外国を攻撃するためのミサイル配備、武器の輸出、これまで憲法九条がある下でできないとされてきたことが次から次へと覆されています。こうした軍事対軍事のエスカレーションが、ついには核兵器には核兵器、こんな議論まで持ち出されてきています。日本被団協のノーベル平和賞の受賞は、そうした流れは違うんだということを象徴したものではないでしょうか。この受賞を受けて、核廃絶の課題が大きく取り上げられています。

 日本共産党は、政府が核の使用を前提とした核抑止論の立場から抜け出し、核兵器禁止条約に参加することを強く求めます。来年は世田谷区平和都市宣言四十周年です。これまでも平和資料館では平和を考える企画が行われてきましたが、核兵器の廃絶と世界に平和の輪を広げていく誓いを全区民のものにする取組をさらに広げていくことを求めます。

施設使用料について

川上こういち 議員

 施設使用料についてです。

 区は、施設使用料等の見直しの考え方についてを示し、物価高騰等の社会情勢を背景として公の施設の管理運営経費の規模が増大していることから、使用料等の見直し、値上げの考えを示しています。しかし、公共施設の維持管理は住民の福祉の増進を目的に掲げる自治体が一般会計の主要な歳入である税によって賄い、無料であるべきと考えます。施設使用料は値上げの据置きなども含め、検討することを求めます。けやきネット利用者をはじめ、施設利用団体に対して意見を聞くことを求めます。他区と比較して高過ぎる区のテニスコートなどの利用料金の引下げについても申し述べておきます。

災害について

川上こういち 議員

 災害についてです。

 災害後、支援物資を確実に指定避難所などに配送するためには、都と区が備蓄する区民の三日分の備蓄品を区内で保管できるようにすることが必要です。今後、整備予定の上用賀公園体育館の大規模備蓄倉庫は約二千平方メートル。令和十三年度の竣工までの備えの確保、区内でのさらなる保管スペースの確保に早期に取り組むことを求めます。

 区は、建物の倒壊などにより道路が寸断されて指定避難所に支援物資が届けられないということがないよう、緊急輸送道路沿道の耐震化を進めています。上用賀公園体育館の備蓄倉庫は地域内輸送拠点として活用される計画です。ここに接する世田谷通り沿道の耐震の強化のため、今年度から改定作業を進めている耐震改修促進計画への反映を求めます。同時に、無電柱化のスピードアップを求めます。

働き方の問題について

川上こういち 議員

 働き方の問題についてです。

 新たな行政経営への移行実現プランで、アウトソーシングの推進方針が示されています。区でも慢性的な人手不足となり、現場が疲弊し、質の担保も叫ばれる中、委託や民営化、派遣が進められています。今こそ、公共サービスの提供は区職員による直営、安定した雇用を基本とするべきです。世田谷区の積極的な姿勢を引き続き求めます。

 令和六年三月の第三次世田谷区立図書館ビジョンでは、直営の区立図書館においては、人材育成が課題であると指摘されており、司書資格者についても、将来的に減少が見込まれ、人材育成にとどまらず、計画的な人材確保について検討すべき時に来ていますとし、司書の有資格者を一定数確保しなければ、図書館の質の維持は困難な状況になるとも指摘しています。図書館司書を専門職として区独自で雇うという方向にかじを切る抜本的な改革を求めます。

 深刻な教員不足の解消が急務です。子どもたちと向き合う時間をつくるためには、教職員の長時間労働などの是正が必要です。非常勤講師の年間雇用、教科「日本語」、学力テストの廃止、教室不足への対応、教育施設のユニバーサルデザイン化を求めます。インクルーシブ教育の推進、障害者理解の取組など、人権教育の充実を求めます。

子どもの権利条例について

川上こういち 議員

 子どもの権利条例についてです。

 世田谷区子どもの権利条例改正素案について、今議会で活発な議論が行われました。条例(素案)第一章の総則には、子どもの権利を尊重する文化及び社会をつくることを明記しています。民法上の契約における権利と義務が常にセットであるのとは異なり、子どもの権利は、全ての子どもが無条件に持っているもの。権利はいかなる条件も伴いません。権利の行使に当たっては、相手の権利を尊重し、お互いの権利を両立させるための努力が不可欠です。子どもを権利の主体として尊重する、世田谷区からこうした文化、社会をつくっていく条例改正は画期的であり、意味のあるものです。条例改正に向けた取組、私たちもともに進めたいと思います。

介護の問題について

川上こういち 議員

 介護の問題についてです。

 今回の補正予算に、介護を必要とする方が継続的にサービスを受けられるよう区内の介護事業者への経営支援が盛り込まれました。さきの福祉保健常任委員会で、介護職員の処遇改善を求める陳情が全会一致で趣旨採択されました。介護職の賃金は、全産業平均に比べて月六万円も低くなっています。介護事業者支援とともに継続的な処遇改善策を引き続き求めます。

 気候変動による夏の猛暑から区民、子どもたちを守る対策について、低所得者へのエアコン設置補助、学校の断熱化、賃貸住宅での省エネ促進、区営住宅のエアコン設置などを求めます。

 さきの一般質問において、ヒートアイランド現象によって温暖化に拍車がかかり、気温上昇が激化している中、次期みどりの基本計画策定において、ある地域の中で、樹木の枝葉で覆われる面積の占める割合、樹冠被覆率の採用を求めました。他会派の質疑では、高木の樹木被覆など新たな指標も検討していくと区は答弁しています。ぜひ進めていただきたいと思います。その上で、公共空間で樹冠被覆率を高める方針を持つことを求めます。

 道路整備について

川上こういち 議員

 最後に、道路整備についてです。

 次期事業化計画では、都や関係区、市、町と協議を行う場合には、区民の参加と協働により道路の必要性も検討し、区の独自性を主張しながら取り組んでいただきたい。事業化されていない道路については、路線の廃止も含め検討することを求めます。

 以上、意見といたします。

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