2019/09/18
通告に従い質問します。
初めに、北沢地域の保育の質を守りながら待機児解消を求める立場から質問します。
世田谷区の待機児は、千人を超えるというところからようやく減少し、ことし四月時点で四百七十人、区は来年四月の待機児解消を目指すとしています。しかし、区内で最も困難な状態にある北沢地域の待機児解消がなければ区の待機児解消はありません。この間の努力は評価しますが、来年四月の待機児解消の実現は厳しいと見ています。
北沢地域の保育待機児の状況は、兄弟加算ポイントがあっても入れないなど大変な状況が続いています。長女を盲学校に入れるために桜上水に引っ越してきた方は、次女を保育園に入れるために保活に奔走し、家から離れた砧地域の千歳台の園に入園できました。さらに第三子も生まれ、当初待機児となってしまいましたがその後入園できた、しかし、これも砧地域の船橋になってしまった、兄弟同じ園になるよう申し込んでいるが難しい、北沢地域にはあきがなく送り迎えが大変だ、こうおっしゃっています。
北沢地域のことし四月の待機児数は百五十四人で、区内五地域中最大です。烏山地域は二十六人、玉川地域は七十六人まで減らしました。北沢地域の入園申し込み者数千二十六人に対し、待機児は百五十四人、実に申し込みの一五%が待機児となっています。烏山の三・一%、玉川地域の四・六%と比べ、格段に狭き門となっています。
北沢地域の保育園整備の見通しはどうか。来年四月までの保育園整備は五園、二百二十三人分です。昨年の定数増三十九人から大きく伸ばし、この間の努力を評価しますが、百五十四人分の待機児童をなくすには、過去の実績から見ても、あと数百人分の整備が必要ではないでしょうか。また、区は令和二年、三年の二年間で約八百人分の整備計画としていますが、北沢地域で具体的になっているのは、代沢まちづくりセンター跡などわずかです。さらに、区立保育園の統合による定数減、保育室が認可化に伴い全て地域外に移設するなどマイナスの要因もあります。
保育園整備で土地の確保がネックになっています。第二回定例会で会計検査院宿舎跡や代沢せせらぎ公園隣の郵政宿舎跡などの国公有地の活用について質問しました。郵政宿舎跡地については取得の方向も示されましたが、当面の待機児対策に間に合うのでしょうか。郵政宿舎跡地の活用について、保育園整備に向け、直ちに進めるべきです。現状と今後の取り組みについて伺います。
区は、次期子ども・子育て支援事業計画において、令和二年から四年までの三年間に集中的に二千四百六十六名の定員拡大を図る見通しを示し、七月の福祉保健委員会でそのための特別推進策を実施すると報告しました。その内容は、新たな賃貸料補助制度の創設と屋外遊戯スペース設置条件の一部変更です。三年間で二千四百六十六人分の整備とありますが、北沢地域はそのうちの何名分なのか、新たな補助金の額は十分なのか、今後応募状況などを検証し、必要ならば補助金の引き上げも検討すべきです。北沢地域の定数増計画、特別推進策の効果とその見通しについて区の見解を伺います。
屋外遊戯スペース設置条件の一部変更とは何か。東京都の認可基準で、敷地内に園庭がとれない場合は徒歩約五分以内にトイレと水飲み場を備えた付近の公園を確保しなければなりませんが、区は独自にそれに加え、隣接する公園や広場などの確保を求めています。今回の条件変更は、これも確保できない場合に、優先度の高い地域に限って室内遊戯場の確保を新たな条件として加えたもので、整備を促進するためのものではありますが、特定地域の屋外遊戯スペース設置条件の緩和であると考えます。子どもの外遊びの条件を狭めるもので、保育の質を守るという観点から懸念があります。子ども・子育て会議でも、子どもの育ちに大きな影響を持つ制度変更、外遊びができるような環境を確保することなどの意見が相次ぎました。
我が党は、この間、保育の質を守るために条件変更は限定的なものにするよう申し入れてきました。また、子どもの外遊びの権利を守るために、今後も園庭つき、屋外遊戯スペースつきを優先し、新たな屋内スペースの適用は限定的にすること、区の責任で地域の公立・私立学校などの資源を活用した遊び場の確保を行うこと、公園の混雑が予想されることから、安全確保や利用調整について区が積極的に対応することなどを求めてきました。外遊びを保障し、保育の質を守る区の姿勢と今後の取り組みについて伺います。
次に、梅ヶ丘拠点について質問します。
梅ヶ丘拠点は、都立梅ヶ丘病院跡地に整備が進む世田谷区の保健・医療・福祉の拠点施設で、来年四月に開設予定の区複合棟と、ことし四月に開設した民間施設棟から成ります。民間施設棟は、高齢者の在宅復帰、在宅療養支援機能と、障害者の地域生活への移行、継続支援機能を担います。きょうは民間施設棟の障害者施設について質問します。
梅ヶ丘拠点の開設に合わせ、それまで区の障害者施策を担ってきた区立総合福祉センターが閉鎖され、そこで行われていた事業のほとんどが梅ヶ丘拠点に移行しました。児童発達支援や生活訓練、機能訓練、基幹相談支援センターなどが民間施設棟に移行しました。これまで区が行ってきた事業が民間事業者に移行するのですから、サービス水準の低下を招かない、サービスの質を確保することが関係者の皆さんの要求であり、区の方針でした。
五月に地域の視覚障害者の方から、自立訓練をしたいと梅ヶ丘拠点を訪ねた人が、人がいないのでやっていないと言われたというお話を聞きました。視覚障害者の自立訓練は、現状では梅ヶ丘拠点に行くしかないのに、それができないのは大変だと言うんです。区に寄せられている梅ヶ丘拠点への苦情を調べました。視覚障害者の自立訓練について、本来ならば四月からスタートできるのに、専門職員が六月にならないと就任できない事態、解決していただきたい。未就学発達障害児の訓練・療育事業について、昨年七月の総合福祉センターの説明会で、先生がかわったらうちの子の療育はどうなるの、質は維持できるのかなどの疑問が会場に渦巻いた。総合福祉センターの児童発達支援の先生方の技術やノウハウ、情熱、実績といった価値を区が正しく理解できていない、長い時間をかけて子どもと先生の関係をつくってきた、これを断ってしまえば一からやり直しだ。梅ヶ丘拠点に移ってからは、トランポリン、滑り台などが届いていない、ボールプールのボールが少なくて底が見えている、トランポリンが来ても天井が低く危険だなど、多くの問題が指摘されていました。
重度心身障害の方からは、医療的ケアができると聞いていたのに職員から医療的ケアはできないと回答があった、重度障害児のショートステイを利用したが夜間の看護師が少ないなど不安だなどの声が出ています。障害者団体連絡協議会が区に対し統一意見書を提出しました。梅ヶ丘拠点に対し、利用されている方からの不満の声や、これから利用を考えている方の不安の声が絶ちません。このままでは全区的な保健・医療・福祉の拠点となり得るのかとても心配ですとして、民間施設棟の現状と問題点について区民に明らかにしていただくとともに、必要に応じて区からの指導、支援をお願いしますと区に要望しています。質の低下が指摘されていますが、開設時の状況についての区の認識を伺います。
また、区は協定書に基づき直接指導を行い、人員配置を含め問題の解決を図っているとのことですが、どのよな対策を打ち、現状でどうなっているのか伺います。
区の事業を民間事業者に移行したことから起こっている問題です。梅ヶ丘拠点に対する区民の期待は大きく、その期待に応える質の確保はまさに区の責任です。国の公的責任を果たし、質を守るための担保は何か、区の見解を伺います。
梅ヶ丘拠点が区民から信頼される拠点としての機能を果たし、多くの区民に利用される施設に成長することを期待します。そのためにも、区の責任をしっかり果たしていただきたいと思います。
来年春には区複合棟も開設します。全区の拠点ですから、そのためのアクセスも重要です。梅ヶ丘~等々力間のバス路線、これは当初の一日六便から十五便へと増便していると聞きますが、今後さらに増便するなど拠点へのアクセス拡充を求めます。
以上で壇上からの質問を終わります。
私からは、保育待機児解消に向けた代沢の郵政宿舎跡地の活用について御答弁いたします。
代沢せせらぎ公園に隣接する郵政宿舎は、国家公務員共済組合連合会が土地を所有している約二千三百五十平米の土地であり、現在は建物の解体工事が進められております。区は、共済組合連合会からの売却に関する情報提供を受け、当該土地が都市計画公園の未開設区域に位置づけられていることから、代沢せせらぎ公園の拡張用地として取得の要望をいたしました。今後、解体工事が完了し、先方の事務手続が行われた後、区と共済組合連合会で土地の取得に向けて手続を進めることとなります。
北沢と世田谷地域は待機児童が集中している地域で、当該地区は保育施設の整備が必要な地区に位置づけられています。引き続き、当該土地の取得に向けて共済組合連合会と調整を進めるとともに、当該土地と既に開設している代沢せせらぎ公園を含めた全区域に加え、整備が必要な地区全体を見据えながら、保育所設置の検討を進めてまいります。
以上です。
私からは、二点お答えいたします。
まず、保育施設整備特別推進策の効果とその見通しについて御答弁いたします。
保育待機児童の解消に向けたこのたびの特別推進策は、令和四年度までの間、特に保育待機児童の多い世田谷地域、北沢地域を中心に、事業者からの提案を受け、民有地における保育施設整備を進めるために実施するものです。事業者が施設整備を進める際に活用している国や都の補助制度は、制度の存続が不透明であったり、都心部の賃借料相場と見合っていないことなどもあることから、特別推進策として実施する新たな賃借料補助制度の創設は、整備をちゅうちょしていた事業者の背中を押し、保育施設整備を促す効果があるものと考えております。
なお、賃借料補助制度の活用による定員拡大数は約二千名を見込んでおり、御指摘の北沢地域における定員拡大は、そのうち約半分を想定しております。
また、屋外遊戯スペースの設置条件の変更は、保育需要の高い世田谷、北沢各地域において、新たな保育施設用地の掘り起こしにつながるものであり、当該地域の施設整備を促進することで、懸案である待機児童の地域偏在の解消に寄与するものと考えております。
区といたしましては、特別推進策の活用による施設整備を推進し、令和二年四月の保育待機児童解消を確かなものとするとともに、その後の解消状態の継続を目指してまいります。
次に、外遊びについての区の姿勢と今後の取り組みについてお答えいたします。
お子様の健全な発達において、外遊びは外気に触れ自然を感じるとともに運動機能の向上に資するなど非常に重要な活動であり、安全に外遊びが保障されるためにも、敷地内に屋外遊戯場が整備されていることが望ましいものと認識しております。こうしたことから、屋外遊戯スペース設置条件の一部変更を適用する世田谷・北沢地域においても、公共用地等を活用するなど、敷地内に屋外園庭の確保が図れる保育施設整備に最優先に取り組むことを基本といたします。
新たなルールを適用するに当たっては、区議会等の御意見を踏まえ、要件を整理しました。事業者の審査に際しましては、事業者が運営する他園の保育について、園内・園外活動のバランスや園外活動時の保育が適切かなどの視点に加え、質の高い保育が提供できる事業者かどうか、審査に当たる学識経験者等とともにしっかり確認してまいります。さらに、適用するエリアも商業系地域に限定したところです。
引き続き、保育待機児童の解消に向け、この間整備が進んでいない地域での量的な拡大とともに、これまで培ってまいりました世田谷の保育の質の維持向上に全力で取り組んでまいります。
以上でございます。
私からは、梅ヶ丘拠点施設について三点お答えいたします。
初めに、梅ヶ丘拠点民間施設棟開設後の質の低下と区の認識についてです。
本年四月、梅ヶ丘拠点民間施設棟、障害者支援施設は、医療的ケアにも対応し、障害者の暮らしを総合的に支援する拠点として、地域生活支援型施設入所支援等の新規事業に加え、旧総合福祉センターの自立訓練等の一部機能を引き継ぎ開設いたしましたが、開設当初より施設及び区に対してさまざまな御意見等を頂戴しております。
寄せられた御意見の多くは、問い合わせや要望への対応、利用者や御家族への説明などが不十分というものでございます。これらの御意見は、施設内の組織目標や情報の共有、また利用者等との意思疎通が不足していることが主な原因と捉えており、区としては早急な対応が必要と認識しておりました。
続きまして、どのような対策を行い、現状はどうなったのかについてです。寄せられた御意見等を踏まえ、運営事業者との間で課題の整理と今後の対応について協議を行った上で、七月から順次取り組みを進めております。具体的には、施設全体で拠点としての目標の共有化を図るとともに、現場リーダー等へのフォローアップ研修や各種マニュアルの見直しなどを行い、利用者への支援力向上に努めております。また、夜間の看護師を増員し、短期入所における医療的ケアが必要な方の受け入れ拡大を図るなど、サービスの充実につなげているところです。
今後も、利用者等との個別面談や保護者懇談会を実施し、利用者一人一人に向き合いながら、質の確保に取り組んでまいります。
最後に、区の公的責任を果たし、質を守るための担保についての区の見解についてです。
梅ヶ丘拠点民間施設棟の整備運営に当たりましては、高齢者、障害者が住みなれた地域で暮らし続けるため、医療的ケアへの対応を含め、拠点機能を確実に果たすよう、区と事業者との間で基本協定を締結しております。基本協定には、区が事業の実施状況についてモニタリングを実施し、旧総合福祉センターからの機能移行におけるサービス水準の維持を初めとした区の要求水準を全て満たしているかを確認することが定められております。要求水準を満たしてない場合は、業務改善計画書の中で改善を求めてまいります。
また、苦情や事故が発生した場合には事業者より随時報告を受けることになっており、現在区ではこの報告に基づき、頻繁に施設に足を運び、運営状況についてきめ細かく確認を行っておるところです。
今後も引き続き寄せられている御意見の対応への進捗確認を行い、拠点としての質を守り、よりよいサービスが提供されるよう指導助言に努めてまいります。
以上でございます。
私からは、梅ヶ丘拠点整備に伴う等々力13系統の拡充についてお答えいたします。
お話しのバス路線、等々力13系統につきましては、南北公共交通の強化などを図ることを目的に、平成二十九年一月から本格運行を開始しております。この間、バス需要を喚起するためのPRなどを行うとともに、地域の方々からいただいた運行時間帯の拡充や本数増便などの御要望をバス事業者に伝えてまいりました。その結果、平成二十九年の本格運行開始時に、平日十一時台から十五時台であった運行時間帯が、現在は七時台から十八時台に拡充され、運行便数につきましても増便されてきたところでございます。また、ことし四月には利便性向上のため、新たに東急田園都市線の駒沢大学駅前に停車する運行ルートに変更したところです。
区といたしましては、梅ヶ丘拠点、うめとぴあの整備を好機と捉え、当該バス路線の利用者がふえるよう、関係所管と連携し、広報紙や案内図等による周辺バス路線網のPRを行うとともに、バス事業所にも働きかけてまいります。
以上です。
梅ヶ丘拠点ですけれども、いろいろ利用者の声も聞きながら対応してきたと、これからもやるという話ですが、障害者団体の皆さんなどは大変厳しいことを言っております。これをしっかりと、今後利用者の声も聞いていくということですから、進めていただきたいと要望して終わります。