一般質問令和元年11月27日定例会

2019/11/27

質問項目

答弁 >>

 

質問

公文書管理条例について

中里光夫 議員

 質問通告に従い質問します。

 まず初めに、公文書管理条例についてです。

 政府のずさんな公文書の扱いが問題となってきました。森友学園をめぐる財務省の文書改ざん、自衛隊日報の隠蔽、働かせ方改革での労働データ捏造などです。今国会で問題となっている桜を見る会についても、参加者名簿について、五月九日に共産党の議員から資料提供を求められた、まさにその直後に廃棄したということが明らかになっています。

 公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源です。公文書の改ざんや隠蔽は、国民が共有する知的資源の破壊であり、行政府の説明責任の不履行です。民主主義が足元から崩れていくような危機を感じます。

 世田谷区の公文書管理条例は、高まる区民の関心を背景に、世田谷区の公文書を区民共有の知的資源として適正に作成、管理し、透明性の高い区政の実現、民主主義の健全な発展を目指して制定するものと考えます。そして、その目的を果たすために、文書の隠蔽や改ざんなど不適切なことが起こらないよう新たな施策を行うことが重要です。

 公文書管理条例を制定する背景と目的、その目的を果たすための新たな施策について伺います。

 こうした背景や理念を、条例に伴って作成されるガイドラインを初めとした関連したルールづくりに徹底し、将来にわたって適正な公文書管理を進めていくためにも、条例を制定する背景と目的を前文として記載することを提案します。見解を伺います。

池之上小でのスクールバスの運行を求め

中里光夫 議員

 次に、池之上小でのスクールバスの運行を求め質問します。第三回定例会で各会派取り上げ、陳情の審査は継続となっていますが、私はどうしてもこれを実現したい、こう考え質問いたします。

 池之上小は、耐震診断の結果、建てかえが必要と判断されました。建てかえに当たって旧北沢小を仮校舎として使用する方針が示されています。通学先が変わることで、代沢一、二、三丁目は遠くなり、最も遠いところで二・一キロになります。保護者から、低学年の足では四十分以上かかる、猛暑の夏など通学中の熱中症が心配だ、過去に通学中の交通事故があった、通学路の安全が心配などの声が上がり、遠方の児童の通学のためのスクールバスの運行を求める陳情が千四百七十名の署名とともに議会に提出され、文教常任委員会では継続審査となっています。

 池之上小には特別な事情が重なっています。耐震診断は、希望丘小で過去に行った耐震診断の結果と異なる診断結果が出たことから再診断を行い、その結果建てかえが必要と判断された急な話であること。通常、仮校舎を使用するのは工事期間の一年半から二年程度ですが、今回は耐震性が十分でないので早期に移行を行うということから、設計期間を含めて四年間の仮校舎利用となることなどです。区教委は、指定校変更に弾力的に応えるとしており、意向調査の結果、現状では新入生を含めると百名近くが指定校変更を希望しています。ある方は、三歳の次男がいるが、この子が入学して校舎ができるのは二年生、指定校変更も考えるが兄弟で別の学校になってしまう、バスができれば解決するのにと悩んでいます。

 保護者がスクールバスの運行を求めるのは当然です。昨年、下北沢小と北沢小の統合に伴い、スクールバスが半年間運行されました。これは、北沢小関係者の方と教育委員会の統合に向けた話し合いの中で、通学に対する不安などから、通学路の安全対策とともにスクールバスを要望する意見が多く寄せられ、通う学校が変わるという統合の特殊事情を考慮して計画したものでした。スクールバスは、毎日約五十人から四十人が利用しました。保護者から伺いましたが、利用者が多かった、特に低学年は安心につながった、みんなと一緒に決まった時間にバスで登校することに安心感があったとスクールバスを評価する声が多数でした。

 通学路の変更に伴う安全確保、不安をなくすという当初の目的で効果を上げたと評価しています。北沢小のスールバスについて、区教委の評価を伺います。

 北沢小のケースと池之上小のケースは、学校統合と校舎の建てかえという違いはありますが、行政の都合で急に通う学校が変わってしまうという点で共通しており、なれない長距離の通学を強いられることに伴う問題となります。北沢小のときと同様、バスの運行をすべきです。教育委員会はなぜ池之上小のバス運行を計画しなかったのか伺います。

 北沢小のスクールバスについて、議会では不公平という批判がありました。同程度の距離を歩く学校は区内にほかにもあり、下北沢小だけスクールバスを運行することは不公平だという意見です。しかし、これは単に距離だけの問題ではありません。学校が統合され通う学校が変わる、通学路が急に遠くなるということが不安につながるという特別な事情があります。これは今回の池之上小でも同じです。

 通学条件が突然変わることについてどう考えるのか、区教委の見解を伺います。

北沢地域の保育待機児解消に向けて

中里光夫 議員

 次に、北沢地域の保育待機児解消に向けて質問いたします。

 北沢地域のことし四月の待機児童は百五十四人、兄弟加算ポイントがあっても入れないなど大変な状況が続いています。現在、北沢地域の保育園整備の見込みは来年四月までに五園、二百二十三人分です。九月の委員会報告から変わっておらず、このままでは待機児解消は難しいと言わざるを得ません。保育園整備では、土地の確保がネックになっています。保育園として利用可能な土地を見つけ出し、活用のために取り組んでいくことが必要です。

 保育園の整備は、保育の質を守り、子どもたちに外遊びの条件を保障した園庭のある施設を基本に据えて整備すべきです。そのためにも、国公有地を活用した整備が重要です。この間質問してきた代沢せせらぎ公園隣の郵政宿舎跡地などについて、その後の進捗状況を伺います。

 北沢地域の待機児解消を進めるため、空き家活用について提案をいたします。

 区は、住環境に深刻な影響を与える管理不全の空き家対策に取り組む中で、区内全域の空き家調査を行っています。外観目視により管理状態などを判定し、二〇一七年七月時点で区内全域で九百六十六棟、北沢地域で百五十九棟の空き家が確認されています。また、空き家活用の取り組みも進められ、ことし四月時点で十五カ所が子育て支援などの地域貢献の活用が図られています。

 空き家は、次の利用を決めていない土地と建物として捉えることができます。認可保育園を整備する上で必要な物理的条件を備えているかで絞り込み、保育園整備が可能な物件について持ち主と交渉するなど、積極的に空き家の活用を進めるべきです。区の見解を伺います。

小田急線上部利用について

中里光夫 議員

 次に、小田急線上部利用について質問いたします。

 九月二十四日に世田谷区と小田急電鉄、京王電鉄が鉄道上部等を利用した下北沢を中心としたこれからのまちづくりについて共同記者会見を行いました。鉄道上部利用については、長年にわたって地域住民が裁判などを含めた運動を広げ、都市計画道路のあり方や駅前広場、鉄道上部空間の活用方法などをめぐって議論が続いてきました。世田谷区も、ワークショップやオープンハウスなどを重ね、北沢デザイン会議や北沢PR会議といった議論と活動の場もつくり、住民が主体的にまちづくりにかかわっています。

 小田急線の上部は、二〇一三年に世田谷区が整備する部分と小田急が整備する部分を分けるゾーニング構想が合意され、二〇一五年に区が整備する部分の上部利用計画が策定されました。小田急が整備する部分については、情報が出てこないことが常に問題となってきましたが、近年北沢PR戦略会議などに小田急の担当者が参加したり、情報が提供されるなど、変化が生まれてきました。今回、小田急が発表した下北沢地区上部利用計画では、支援型開発というスタイルで、地域の方々と一緒に町をつくっていきたいという姿勢を示しています。

 しかし今、その小田急の言葉にふさわしくない事態となっています。小田急は、下北沢駅の東側、一番街のあたりから東北沢までのエリアに商業施設とホテルを整備する案を示しました。この案について、世田谷区特定商業施設の立地に伴う環境保全のための要綱に基づく説明会が開かれました。しかし、その開催を知らせるチラシが近隣に配布されませんでした。それを知った住民が改めて説明会の開催や住民への説明を求めているのに、十分行われていません。住民から、住宅街の中に突然飲食街ができるのか、ホテルというが人の出入りや窓の配置はどうなるのか、午前三時までの営業というが本当か、緑をふやしてほしい、とにかく説明してほしい、こういった声が上がっています。小田急は、みずからの計画に書いた地域の方々と一緒に町をつくっていく、町に不足している緑をふやし、町とのつながりを意識し、回遊性を高める空間とまちづくりを世田谷区と進めるという姿勢を示していただきたい。

 区の働きかけで話し合いの場をつくるよう求めます。

答弁

田中 総務部長

 私からは、公文書管理条例について、二点に御答弁いたします。

 初めに、条例を制定する背景と目的、新たな施策についてでございます。

 今回の(仮称)公文書管理条例の制定は、情報公開の基盤として公文書の管理を適切に行うことにより、参加と協働の区政を実現し、区の諸活動について、現在及び将来の区民に説明する責務を全うすることを目的としております。条例の制定に当たっては、昨今の国等において公文書の不適切な取り扱いが問題とされてきたことを受け、区民の信頼を早期に確立するため、公文書の管理に関する課題検討を優先して取り組むことといたしました。

 区民への説明責任を全うするための新たな取り組みといたしましては、区民と共有の知的資源でもある公文書を確実に作成するため、職員に対し、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書として作成することを義務づけることとしております。また、保存期間が経過した文書に対しては、廃棄前に(仮称)公文書管理委員会に意見を聞くことにより保存期間を見直し、将来の区民が検証を行うために必要な文書を確実に残せるようにしてまいります。

 次に、前文の記載についてでございます。

 前文とは、法律の条文の前に置かれることがあるもので、その法律の制定の背景、理念、決意等を述べた文章のことを指します。世田谷区の場合、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を含め十四の条例で前文が置かれており、そのいずれもが条例制定の背景や目的にとどまらず、自治体として独自の基本理念、政策意図及び決意表明を強くあらわしているものであると認識しております。

 今回の公文書管理条例は、公文書等の管理に関する法律の地方公共団体の文書管理に関する努力規定を受けて、公文書の適切な管理に関して必要な施策として制定するものです。御提案の前文に盛り込むべき条例制定の理念や目的は、条例の第一条目的の中であらわしていくことを予定しております。また、職員には研修等を通じて公文書管理を適正に行えるよう意識の変革を促してまいります。

 以上でございます。

淺野 教育次長

 私からは、池之上小関係の三点につきまして御答弁申し上げます。

 まず最初に、旧北沢小の下北沢小への統合時のスクールバスについてです。

 下北沢小学校の登下校スクールバスの運行につきましては、学校統合によりなれない通学路を通うことになる児童や保護者の方々に対する不安への配慮などから、東京都の補助制度を活用し、平成三十年四月から半年間の運行を行いました。教育委員会の当該事業に関する評価ですが、統合に伴う特別な措置として、見守り誘導員の配置などを含む幾つかの安全対策の一つとして、また保護者の方々等に対する不安解消という面から評価ができるものと考えております。

 続きまして、池之上小でのスクールバス運行についてです。

 池之上小学校の改築と旧北沢小学校への一時移転に関しましては、耐震再診断の結果から短期間に改築や移転の方針が決まったこと、また、通学距離が長くなる児童が多いことから、その解決策としてスクールバスの運行の要望をいただいております。昨年の旧北沢小学校の児童を対象としたスクールバスの運行は、学校統合時に都の補助制度があることを踏まえ、統合時の子どもたちの教育環境への配慮などを総合的に勘案し、教育委員会として判断したものです。今回、池之上小学校の保護者等からいただいている御要望は、通学路の安全対策の徹底や学校による集団登校など、登下校の安全対策の徹底等で解決していきたいと考えております。

 続きまして、池之上小の通学条件が変わることにつきましてです。

 今回の池之上小学校の旧北沢小学校への一時移転に関しましては、通学の距離や時間、あるいは通学路の変更など、これまでの通学条件が変わることになりますので、保護者説明会などにおきましても、登下校を心配される御意見や御要望を多くいただいております。このため、教育委員会としましても、既に警察署や道路管理者、PTAの皆様などの協力のもとに、通学路の安全点検を重ねて実施しており、今後も通学路の安全対策は徹底してまいります。さらに、これまで改築に伴い移転を行った代沢小学校や城山小学校などの例も参考に、必要な箇所には複数の通学路見守り誘導員を配置し、登下校の安全を図ることにしております。

 今後も、教育委員会では一人一人の児童に寄り添いながら、このような工夫を重ねまして、安心して通学できる環境をつくっていきたいと考えております。

 以上です。

知久 保育担当部長

 私からは、北沢地域の保育待機児童解消に向けて二点お答えいたします。

 まず、空き家を活用した保育施設整備についてです。

 区では、管理不全な空き家への対策を進めており、保育施設の整備用地として活用する際の上物である老朽化した空き家の除却費用を補助する制度を平成二十九年度に創設しております。この間、補助制度の説明と空き家の保育施設への活用の呼びかけを不動産事業者や金融機関などの関係団体に対して行うとともに、区職員が優先整備度の高い地域を回り、候補となる土地、建物を直接確認し、所有者の方に御案内をお送りして協力をお願いするなどの取り組みを行っております。こうした取り組みにより、北沢地域では来年四月、松原二丁目におきまして、空き家の除却費用への補助制度を初めて利用した保育施設が開園を予定しているところです。具体的な保育施設整備につなげるためには、土地所有者の相続税対策や建築条件など調整が必要となるさまざまな課題がございますが、引き続き優先度の高い地域を中心に、御指摘の空き家の利活用を含め、整備候補となる土地の掘り起こしを進めてまいります。

 次に、郵政宿舎跡地の進捗状況についてお答えいたします。

 郵政宿舎跡地を含む代沢せせらぎ公園一帯は、保育施設整備優先度がB、整備が必要な地区のエリアに所在し、北沢地域はもとより、三宿や池尻の保育需要にも対応できる立地であると考えております。また、現地確認によりまして、当該地一帯は公園や緑道と一体の環境のもと、子どもの健全な育ちを保障することができ、緑道を含む道路や歩道が整備されていることから、園児の安全性も担保される立地であることを確認しております。屋外遊戯スペース設置条件の一部変更の該当地域である北沢地域においても、敷地内に園庭のある保育園整備は重要であると考えております。次期子ども・子育て支援事業計画の期間内での整備の可能性などの課題を整理していきながら、引き続き庁内調整・検討を進めてまいります。

 議員御指摘の郵政宿舎跡地につきましては、解体工事完了後、速やかに当該土地の取得に向けて担当所管部で調整を進めてまいります。

 以上です。

田中 経済産業部長

 私からは、住民との話し合いの場について御答弁いたします。

 小田急電鉄の商業施設整備については、本年四月に世田谷区特定商業施設の立地に伴う生活環境保全のための要綱に基づき、特定商業施設の新設の届け出が出され、五月十日に関係住民への説明会が開催されました。その後、近隣住民から小田急電鉄宛てに協議の申し入れが行われ、住民主催の集会に小田急電鉄が出席したり、個別の問い合わせに対応したりするなど、住民と小田急電鉄の協議が継続しているものと認識しております。

 区では、小田急電鉄に対して、要綱の規定に基づき住民の協議申し入れに対応するよう要請しており、現在電鉄側から住民に対して連絡を取り、関係住民との話し合いを継続していると聞いております。関係住民からの要望や御意見に関しては、要綱で定める特定商業施設に関する内容に加え、まちづくりに関係する事項も含まれており、引き続き北沢総合支所と連携して、小田急電鉄に対して要請をしてまいります。

 私からは以上です。

<< 前のページへ戻る