2020/02/20
通告に従い質問します。
初めに、公文書管理条例について伺います。
国会では、桜を見る会が大問題となっています。安倍首相による国政私物化は目に余ります。公文書の扱いも、招待者名簿は廃棄した、廃棄したのでわからない、バックアップは公文書ではない、ログは調べないと、政府は説明責任を果たしません。
公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源です。安倍政権のもとで行われた決裁文書の改ざん、自衛隊日報の隠蔽、働き方改革での労働データ捏造など、民主主義の根幹を破壊する行為です。
今議会に区は、公文書管理条例案を提案しました。世田谷区の公文書管理条例の制定とその運用によって、公文書が適切に扱われていくことを期待するものです。
不適切な公文書の扱いを防ぐ制度の実効性の担保のために、不適切な取り扱いに対して懲戒処分などを講ずるとともに、その決定には第三者の目による透明性の確保が必要です。また、新庁舎整備に伴う庁内の引っ越しで公文書が廃棄、紛失など不当に処分されるようなことはあってはなりません。公文書管理条例とその運用について伺います。
次に、北沢地域の保育待機児解消について伺います。
ことし四月の保育待機児解消という区の目標は達成できませんでした。区は保育定数の確保数が計画に対して四百九十名分届かないこと、入園申込者数が昨年比で約二百名増加したことを理由に挙げています。
私は、特に待機児の多い北沢地域の状況から、待機児解消の取り組みを求めてきました。代沢せせらぎ公園隣の郵政宿舎跡地の活用なども提案してきました。四月入園の認可保育園の一次の結果が出て、この時期、保育室などに選考から漏れた保護者の相談が寄せられます。
北沢地域のある保育室によりますと、兄弟が別々の園になるケースが多いなど、兄弟ポイントがあっても入れない厳しい状況は、ことしも続いているというふうに伺いました。
区は来年度、待機児解消を目指して千八十二人分の定員をふやす計画を示しましたが、北沢地域、世田谷地域での待機児解消なくして全区の待機児解消はできません。北沢地域の来年四月の待機児解消に向け集中して取り組む必要があります。保育園整備状況と見込みはどうなのか、区の見解を伺います。
土地確保が困難な北沢地域の待機児解消のために、あらゆる努力を求めます。周辺住民の反発で整備が頓挫してしまうようなことがないよう、周辺住民の理解を得るため、区は事業者にも働きかけ、丁寧な対応を進めるよう求めます。
また、東京都が行っている土地の提供者に対する税の優遇措置があと一年で終了してしまいます。東京都に対し制度の継続を求めるべきです。区の見解を伺います。
次に、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて伺います。
昨年三月、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針が策定されました。三軒茶屋は交通の利便性が高く、区内全域から区民が集まります。基本方針が掲げた三茶クロッシングは、まさに三軒茶屋をあらわす表現だと考えます。だからこそ我が党は三軒茶屋の公共施設整備の重要性を訴えてきました。
三軒茶屋には多くの人々が集まってきます。そこでの活動・交流の場が求められます。集会施設や行政窓口など公共施設が不足しています。公共施設の整備充実が必要です。
ところが、基本方針では、点在する公共施設の再編を考えていく必要があるとあるだけで、公共施設整備の必要性についての位置づけが低いと考えます。人々が集まる場所、公共サービスの拠点として三軒茶屋を位置づけるべきと考えます。三軒茶屋における公共施設整備の必要性について区の認識を伺います。
この間、三茶まちづくりについて、ワークショップ及びシンポジウムが開かれました。ワークショップには十代から八十代までの住民や三軒茶屋のユーザーが集まりました。そこでは個性豊かなお店、買い物やアクセスなどが便利、少し奥に入れば静かな住宅街、緑も広がっている、夜も安心、三軒茶屋の顔である三角地帯など、三軒茶屋の魅力についての意見が出されました。そして、それらは未来に残してほしいことにつながっています。
ここでは有識者や町会、商店会だけでは得られない生の声が集められました。住民が主人公のまちづくりのためにも、この声を生かすことが重要です。また、再開発に生かしていくことも重要です。ワークショップ、シンポジウムの結果をまちづくりにどのように生かすのか、区の見解を伺います。
次に、上用賀公園整備のPFI検討について伺います。
上用賀公園は、国有地の跡地を活用した公園整備で、災害時の避難場所や災害応急活動の場、緑を生かした空間、そしてスポーツを中心としたレクリエーションの空間としての整備が計画されています。
区は公園の事業手法を、民間連携手法の導入可能性を検討するとして、区の公共施設として初めてPFI導入を検討しています。
PFIは、公共施設の整備を民間の資本で行い、自治体は後から分割で事業資金を事業者に支払っていきます。施設の設計、整備、運用まで、PFIのための特別目的会社、SPCを設立し、長期にわたって担います。区は上用賀公園整備では、二十年間はその会社が運営することを想定していると説明しています。
しかし、PFI発祥の国イギリスでは、さまざまな問題が噴出し、二〇一八年十月には政府が、今後の新規案件にPFI手法を用いないことを宣言するに至りました。この年の一月に約四百五十件の公共運用サービスを受注していたイギリスで第二位の大手建設会社カリリオン社が経営破綻し大問題となりました。
日本国内でも問題が起きています。福岡市のタラソ福岡、北九州市のひびきコンテナターミナル、名古屋港のイタリア村などの経営破綻、近江八幡医療センター、高知医療センターなどの契約解除が起こっています。
従来の公共事業よりも高コスト、事業者が過大な利益を得ている、長期的に財政の硬直化につながるなどの問題が指摘されています。慎重な検討を求めます。
こうした数々の事例について、区は当然知っていると思いますが、区としてPFI手法の導入を検討するならば、PFI事業が区民にとってどのようなメリットがあるのか、また、リスクやデメリットはどうなのか明らかにした検討を行うべきです。見解を伺います。
我が党は、指定管理者が区民の共有財産である公共施設の管理運営を民間に委ねることから、区民サービスの向上、コスト削減、質の確保といった行政の責任を明確にしながら進めるルールづくりを求め、このたび指定管理者制度のガイドラインが策定されました。
民間活用でも、PFIは施設運用にとどまらず、公共施設の整備から長年にわたる運営まで、巨額の財政支出を伴う事業です。企業が破綻したり撤退した場合はどうなるのか、リスク分担や事業者選定の透明性はどう確保されるのか。
横浜市ではPFI実施に当たっての配慮事項として、公平性、透明性の確保を挙げ、事業の発案から事業手法の選択や事業者選定の進め方など、事業実施の各段階においてできるだけ詳細に公表を行い、手続の公平性や透明性の確保に十分配慮して進めていきますとしています。
区は事業協力者の公募、選定を行い、さらに検討を進めようとしていますが、情報の公表、手続の公平性、透明性の担保をどうするのか伺います。
次に、避難所の電源確保とエアコンの整備について伺います。
新年度予算では、災害時の避難所ともなる全ての学校体育館にエアコンが整備されます。また、避難所の非常用電源として、大容量ポータブル蓄電池の配備や、災害時には避難所の電源として活用できる電気自動車が十台導入され、避難所の環境が改善されることが期待できます。
しかし、ポータブル蓄電池や電気自動車の電源ではエアコンを稼働することはできません。近年の猛暑は命にかかわるものです。ライフラインが途絶えても、避難所でエアコンを稼働できる非常用電源の確保を計画的に進めることを求めます。
昨年四月、旧守山小学校は、保育園、障害者施設、地区会館の複合施設まもりやまテラスへと転換されました。体育館は地区会館の施設として利用され、災害時には避難所になります。この体育館は学校体育館のエアコン設置計画から外れてしまいました。また、他の地区会館の体育館には全てエアコンは設置されています。まもりやまテラスの体育館へエアコンを設置し、あわせて非常用電源の整備を行うべきです。区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
私からは、公文書管理条例について二点にお答えいたします。
初めに、制度の実効性を担保する仕組みについてです。
不適切な公文書の取り扱いを防止するには、公文書管理制度自体の仕組みのほか、制度全体を遵守させる仕組みが必要であると認識しております。そのため、職員の服務規律違反や信用失墜行為などに対して標準的な処分の量定を定めた懲戒処分の指針を改正し、不適切な公文書の取り扱いが懲戒処分の対象となることを明確にすることで制度の実効性を担保してまいります。
懲戒処分について審査答申する職員分限懲戒審査委員会に関しましては、昨年の十二月に委員の構成を改めた上で、外部から弁護士を委員として委嘱したところでございます。これまで以上に公正性や客観性を確保した職員分限懲戒審査委員会により、不適切な公文書の取り扱いについても厳正に審査してまいりたいと考えております。
次に、新庁舎整備に当たっての公文書の管理についてでございます。
条例では、公文書を区民共有の知的資源として、公文書の適切な管理を定めており、公文書の廃棄についても、不当な廃棄ができないよう、区民や第三者機関がチェックできる仕組みを設けております。
御指摘の新庁舎整備に伴う引っ越しでは、大量な文書が梱包され、複数回移動させる中で、公文書が誤って廃棄されたり紛失してしまうことがないよう、職員が条例の趣旨を理解した上で適切な対策を講じる必要があると認識しております。条例の目的、制度の知識については、説明会や研修を通じて職員に理解させるとともに、引っ越しの前後には、区民に公表しているフォルダ管理表を活用するなどの方法により確認することを庁内に周知徹底し、条例の適正な運用を図ってまいります。
以上でございます。
私から、北沢地域の保育の状況について二点お答えいたします。
まず、北沢地域の保育待機児と施設整備の進捗状況です。
北沢地域における保育施設整備については、令和二年四月に認可保育園五カ所、保育定員二百二十三名分の新規開設を予定しているところです。一方、令和二年四月の保育所等入園申し込み一次において、北沢地域で前年比七十三人の増加があり、特にゼロ歳から三歳児は入園可能数を大幅に上回る申込者数となっておりますことから、利用調整は厳しい状況にございます。
このため、次期子ども・子育て支援事業計画では、令和三年四月の待機児童解消に向けて千八十二人の定員拡大を目指しており、このうち北沢地域では約四割の四百七十五人の定員拡大を目標としておりますが、現時点での新規開設の見込みは三カ所、百二十二人分にとどまっております。待機児童の多い北沢地域においては、引き続き保育施設整備特別推進策による新たな賃借料補助制度の活動や、公有地による保育施設整備の検討を進め、待機児童の解消に全力で取り組んでまいります。
次に、今後の施設整備に関してお答えいたします。
区では、一人でも多くのお子さんが保育園を御利用いただけるよう施設整備に全力で取り組んでおり、保育施設の整備運営事業者が民有地を確保して整備を行う、いわゆる提案型の施設整備に力を入れているところです。この事業の特徴としましては、運営事業者が事業立案時から近隣の方と顔を合わせることで、早い段階から建設に対する御要望を把握し対応することが可能となることや、土地所有者が税制面で優遇を受けられるということから、土地の確保が進みやすくなるといった早期の施設整備に結びつく利点がございます。
一方で、区民より、事業者より十分な説明がなされないといったお声をいただくこともあることから、今後の施設整備に当たりましても、整備地周辺の状況を勘案した上で、事業者に適宜指導、助言を行い、きめ細やかな対応を行うとともに、令和二年度末までとなっている税制優遇の延長を引き続き都へ要望を行っていくなど、提案型による施設整備が円滑に実施されるよう取り組んでまいります。
私からは以上です。
私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくりについての二点です。
初めに、公共施設の整備に関してです。
昨年三月に策定いたしました三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針におきまして、社会状況に対応したまちづくりの視点として、多数の公共施設が点在する三軒茶屋駅周辺におけるソフト面の施策を踏まえた公共施設機能再編の必要性について示してございます。
広域生活・文化拠点である三軒茶屋駅周辺地区の公共施設につきましては、老朽化した施設や点在した施設の集約によるサービス向上など、中長期の視点で取り組む課題であると考えており、昨年開催いたしましたまちづくり会議でのワークショップやシンポジウムにおきましては、交流できる公共的なピロティー等の広場空間を求める声もございました。
区といたしましては、公共施設等総合管理計画や地域の特性などを踏まえながら、現在策定を進めております三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画となる(仮称)三茶のミライにおいて、有識者等で構成する三軒茶屋駅周辺まちづくり検討委員会での御議論や御助言をいただきながら、関係所管と連携し検討をしてまいります。
次に、ワークショップ等の結果をまちづくりに生かすのかについてです。
昨年十月と十一月の二回にわたり開催したまちづくり会議によるワークショップでは、三軒茶屋の魅力の共有や、三軒茶屋の魅力マップを作成し、第二回のワークショップでは、三軒茶屋の未来の姿や町の課題を共有し、現在を未来に近づけるための具体的な取り組みなどについて提案をいただきました。
また、十二月に開催したまちづくりシンポジウムでは、有識者による基調講演を初め、学識経験者や商店街等の方々が三軒茶屋の未来について、会場からの御意見もいただきながら語り合いました。現在いただいた意見やアイデアを整理、分類し、計画の検討素材として取りまとめており、三軒茶屋駅周辺まちづくり検討委員会において御議論いただきながら、(仮称)三茶のミライに反映し、まちづくりに生かしてまいります。
以上でございます。
私からは、上用賀公園整備のPFI検討について、大きく二点御質問をいただきました。一括して御答弁いたします。
上用賀公園施設整備事業については、今般、基本構想案をお示ししたところであり、PPPやPFI手法の詳細な導入可能性調査を実施した上で検討を進めることとしております。今後のPPP、PFI手法の導入可能性の調査に当たっては、公共施設という前提に立った上で、公園全体の整備や維持管理にかかる経費の抑制、民間のノウハウやアイデアを生かした魅力向上の可能性を精査する一方で、災害時の広域避難場所や災害応急活動に資する役割を含めた機能と安定的な運営を確保することを前提といたします。
その上で従来手法を含めた各事業手法のメリットやリスクを明らかにしながら、お話のありました他自治体の事例などを見きわめ、議会の議論も踏まえ、適切な事業手法を判断してまいります。
また、現段階では、整備する体育館については指定管理者制度による運営を想定しています。区は区民の利用料の上限を定める一方で、事業者に対して適切な指定管理料を支給することで事業の安定性と継続性を確保いたします。
また、PFI手法を導入する場合、事業者は公募により選定をいたします。多くの事業者の参加を促すため、事業者の持つノウハウやアイデア等の知的財産を保護するとともに、どのような過程を経て選定されたか情報を公表することを検討し、事業者選定の公平性、透明性を確保いたします。
今後、PFIの導入可能性の検討において生じた課題を整理し、事業手法の選択や事業の進め方、事業実施の各段階における情報の公表方法などを検討してまいります。
以上です。
私からは、避難所の電源確保について御答弁いたします。
近年国内で発生しました災害におきましても、区と同じく小中学校の体育館を避難所としている事例が多くあり、季節により寒暖は避難生活をされる方々にとって非常に厳しいものであったと伺っております。そのため、災害時にも空調設備が稼働できるということは、そうした避難生活の負担を軽減するものと期待されます。そのため、多様な手法により電源確保という観点から、現在、教育委員会で設置を進めております体育館のエアコンには、停電時でも稼働する自立型のガスエアコンを二十一校に導入する予定となっております。
また、台風第十九号における風水害対策総点検におきましても、避難所の停電対策等を項目に掲げ、避難者の携帯電話が一斉充電できるように、大容量ポータブル蓄電池を配備し、環境にも配慮した災害時の電源確保のための庁有車への電気自動車の導入を計画しているところでございます。
しかしながら、電気自動車などの電源では、御指摘の災害時に体育館の空調設備を十分に運転させることはできず、災害時にエアコンを稼働させるためには、大規模な発電機、また燃料タンク等が必要であり、避難所でエアコンを使用するためには多くの課題があるものと考えております。そのため、さまざまな電源確保の手法を組み合わせて避難所の環境整備に努めてまいります。
以上です。
私からは、避難所としての旧守山小学校跡利用施設へのエアコンの導入について御答弁させていただきます。
区内の小中学校の体育館は、教育委員会が主に猛暑などから児童生徒の健康を守る観点、また、災害時の避難所ともなる施設機能を考慮し、全ての学校で空調設備の設置に向けて整備を計画的に進めているところでございます。お話の旧守山小学校の後施設として本年度オープンしました守山複合施設、まもりやまテラスにあります守山地区会館の旧体育館である多目的室について、現在、空調設備の整備の予定は、この計画には組み込まれてはおりません。
しかしながら、まもりやまテラスは避難所としての役割がございますので、関係所管と連携いたしまして空調設備導入のために必要な変電設備、キュービクルの調査など、現状を確認しながら、機種や導入の手法などについて検討してまいります。
以上です。
守山小学校ですけれども、学校の体育館エアコンは新年度に全部入るということですが、ここだけ漏れてしまったということになるわけです。地域の方が利用しますし、避難所となるものですから、ぜひ新年度に補正予算も組んで、ぜひ実施していただきたいと要望して、終わります。