2023/10/03
それでは、日本共産党の質問を始めます。
最初に、学校給食について。
今日、他会派からもたくさん出ました。その他会派への答弁で、義務教育無償化という観点も入れて学校給食無償化を来年度以降も継続して実施するという方向が出されたことを評価いたします。我が会派の代表質問で、給食無償の対象となっていなかったアレルギー等による弁当持参者への補助、これについて代表質問での答弁では、無償化の継続に合わせて検討すべき課題だという答弁がありました。継続の方向が出たわけですから、補正予算での実施も含めて、改めて答弁を求めます。
教育委員会では、学校給食費無償化の継続に合わせ、アレルギーや宗教上の理由により給食を喫食することができず、日々家庭から弁当を持参している児童生徒を対象に必要な支援などの対応を検討していくこととしております。
今回、区長から無償化継続の方針が示されたことを受けまして、今後、支援の対象者や内容などの具体的な手法について課題を整理し、来年度の給食費の完全無償化に間に合うよう、弁当持参者への支援策を取りまとめてまいります。
来年度に向けてということですけれども、ぜひ早く実現できるよう頑張っていただきたいというふうに思います。
それから、学校給食無償化を進めるに当たって、私立に通う子どもはどうなのかというような議論もありました。新宿区では、私立等に通う児童生徒も実質無償化することを検討しているという表明がされています。こうした動きも出ておりますので、世田谷でも検討することを要望しておきます。
それでは、次の質問に行きたいと思います。低所得者に対する区独自の給付金を求める質問をしたいと思います。
物価の高騰、円安、燃料費の高騰による光熱費の負担といったことが区民の生活を非常に苦しめている。物価高騰に賃金の上昇は追いついていない、実質賃金は下がる一方だという状況です。この間、生活困窮者を中心に繰り返し給付金が支給されてきましたが、その対象は、ひとり親や住民税非課税世帯に限られてきました。物価が上がり、生活費の負担は増えているのに、非課税の基準は変わらず、非常に低い水準です。そして、物価上昇とともに消費税の負担なども増えている。我が党は、行政の支援から取りこぼされた住民税非課税よりも少し上の層まで支援の枠を広げるべきだというふうに求めてきました。
住民税は、均等割と所得に応じた所得割から成っています。所得割ゼロの世帯をラインとして支援の枠を広げることを提案したいと思います。この所得割ゼロ、これらがどのくらいの収入の世帯になるのかということで、区税ガイドブックなどを見て調べましたけれども、これは家族構成などでいろいろ変わってきます。扶養家族が一人、給与収入の場合、二人世帯の場合、住民税の非課税というのは給与収入が約百五十六万円以下、所得割がかからない世帯というのは約百七十万円以下というふうになります。扶養家族のいる二人世帯で、ボーナスなしで月収は十四万円、こういう水準だということです。この所得割ゼロの世帯へのラインに引き上げることで新たな対象が区内で約一万九千人、この引き上げる部分にいらっしゃるということです。この二万人弱の人に例えば五万円ずつ給付したら約十億円になります。これはとても大きな金額です。しかし、区の財政状況を見れば、これは無理な金額ではないと考えます。決算の結果が出て、令和四年度の繰越金が約百五十億円というふうに出ています。前年の百七十億円から減ったとはいえ、例年の水準から見れば大きな金額であります。
コロナでも税収が増加傾向だ、これは他会派の質問でもありました。これはどこが増えているのかというのを調べてみました。ここ数年の納税者の所得階層別の人数と所得総額というのを出してもらったんですが、令和二年と四年を比べて、年収一千万円以上の人の人数が三千二百十九人増えて、所得の総額は百一億円増えているんです。高額所得者が増えているというのが数字にはっきり表れています。また、株の取引に関わる株式譲渡所得税が令和三年と四年を比べますと三億六千万円増えています。高額所得者が増えているということが税収の増額につながっているということが表れていると思います。
コロナで仕事を失った人などに対して生活福祉資金の特例貸付けが行われてきました。令和二年三月から令和四年九月までの間行われました。区内の実績は約四万五千件、百七十億円に達します。これだけの人が生活に困窮し、助けを求めたということです。昨年九月でこの制度は終了し、返済が始まっていますが、約三割の方はこの返済が免除されているんです。非課税で返すのが大変だというふうに判断されて、免除されています。非常に厳しい状況が続いているということです。
高額所得者が増え、税収は増加しており、決算の結果、百五十億円もの繰越金がある。学校建て替えなどの備えが必要なことも分かりますけれども、それだけでいいんでしょうか。百五十億円の中から十億円を所得の再配分、厳しい区民生活への支援、これまで取りこぼしてきたところへの支援に使ってもいいんじゃないでしょうか。新たな区独自の低所得者への給付金を行うべきだと思います。見解を伺います。
区では、これまで低所得者に対する国の経済対策に基づき、住民税均等割非課税世帯や家計急変世帯への臨時給付金の支給を行ってまいりました。生活困窮者への支援として、ぷらっとホーム世田谷では、生活全般のお困り事を丁寧に聞き取りし、各種の支払いが困難な方には家計の見直しや滞納状況を整理し、今後の支払い計画を立てることや必要に応じて就労支援等を行うことなど、個々の希望や課題に応じて寄り添った支援を行っております。
お話しの給付金の対象者の拡大については、今後の経済状況を注視するとともに、現在、国で議論されている経済対策などを見定めながら検討する必要があるものと考えております。
検討していく必要があるということですけれども、この百五十億円の中からの十億円、所得の再配分、厳しい区民生活への支援、これまで取りこぼしてきた、こういうところを見てもぜひ進めるべきだと思います。
区長は、この格差の問題についてどのように認識していらっしゃるでしょうか。
コロナ禍の中で、この格差、収入のある方も、以前よりも増えたという方も相当いらっしゃる反面、生活困窮に陥り、数々の支援制度で何とかつないできた、そういう皆さんもいらっしゃる。
今、五類に変わり、いわゆる経済等再起動してきた中ですけれども、非正規雇用の課題であるとか、格差の中で困窮している方々が置かれている立場は、現実に、変わらず厳しいものというふうに受け止めています。
区として、そこを見逃すことなく支援をするべきであるという主張は受け止めさせていただき、我々でこれからできることを考えていきたいと思います。
ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
それでは、次の質問に行きます。
気候危機対策についてです。
まずはエアコンについて、この猛暑から命を守るという角度から、まずエアコン問題を質問したいと思います。
この猛暑の中でエアコンがなかったり、壊れていたら命に関わる問題です。今年、区内で熱中症で亡くなった方は九人、全て高齢者、うちエアコンがなかったのが二人、故障していたのが一人、エアコンはあったけれども使っていなかったというのが四人、屋外が二人ということでした。エアコンを使っていて亡くなった方はいません。エアコンの使用が命に関わるということが表れていると思います。
低所得の方にエアコンの購入を支援する資金の貸出しを社協が行っています。上限が十万円で、返済期間は三年以内ということですが、今年の実績は二人の方、これは生活保護を利用している方だそうですが、二人の方がこの利用があったということです。エアコンがなかったり、壊れている家庭の数は少数だと思いますけれども、そうした家庭は実際にありますし、そして、エアコンがないことで命を失っている方もいると。エアコンを買いたくてもお金がないという家庭に対しては借金して買えと、こういう制度しかない。
福祉の制度として、生活保護に限らず、低所得でエアコンがなかったり、壊れている家庭へのエアコン購入補助を行うべきだと思いますが、いかがですか。
今年度、ぷらっとホーム世田谷での相談のときや、それから、あんしんすこやかセンター、また、生活保護担当の職員による訪問のときなどにおいてエアコンの設置状況や使用状況に関する聞き取り調査を行っており、エアコンを使用しない方への熱中症対策への効果を説明するとともに、お休み処の利用も進めてきました。
エアコン購入費の補助につきましては、先ほどの聞き取り調査の結果、それから、先ほど給付金のときに御答弁しました今後の経済状況、それから、国の経済対策、こういった様々なことを含めて検討が必要だというふうに考えております。
また、ぷらっとホーム世田谷では、引き続き生活困窮の方の御事情を伺いながら寄り添った支援を行ってまいります。
エアコンがなかったら命に関わるという中で、低所得でエアコンがないというところに、なぜ支援ができないんですか、これはどうしてなんですか、亡くなっているということにどう思うんですか。
現在、生活保護の方にはエアコンの仕組みがございまして、また、先ほどちょっと御答弁しましたけれども、またぷらっとホーム世田谷では、生活困窮の方の御事情を伺いながら寄り添った支援を行っていきたいというふうに考えています。
寄り添った支援と言いますけれども、結局、借金して買えという制度なんですよ。これは絶対にやっていただきたいと強く求めたいと思います。
命を守るとともに、エアコンの問題を温暖化ガス削減という角度からも質問したいと思います。原油価格高騰、電気代の高騰でエアコンの使用を控えている人も多い、しかも、そのことが命にも関わるということで、使っていなくて、亡くなった方もいらっしゃいます。
古いエアコンは消費電力が大きくて、古いエアコンを新しい省エネタイプのものに買い換えれば、CO2を削減する、光熱費を抑える、こういう効果も大きくなります。福祉政策としての購入補助とは別に、環境政策として、古いエアコンの買換えを促進する、そういう補助制度を検討すべきだと思いますが、いかがですか。
二〇二〇年の環境省の調査ですと、家庭におけるCO2排出構成で、大体エアコンは冷暖房合わせて二割ぐらいの排出量となっています。同じく国の資料によりますと、エアコンの買換えというのは大体平均で十三年ぐらいで、十三年前のものから現在の省エネ性能が高いものに買い換えた場合、一台当たり、約一年間で七十キログラムぐらいのCO2が削減できる。また、省エネだけではなくて、一家庭当たりですけれども、年間約七千三百八十八円の電気代が節約できるという試算がございます。
そこに着目してだと思うんですけれども、東京都では、エアコン、冷蔵庫などを省エネ性能の高いものに買い換えた方に商品券などに交換できるポイントを差し上げるという東京ゼロエミポイントという事業を実施しております。これは反響も、効果も非常に大きいと聞いております。
区では、今、省エネポイントアクションという事業を実施していますけれども、この取組の中で家電を買い換えましたと、それによって省エネできましたというような報告もいただいておりますので、今後も引き続き、省エネ家電の普及拡大の方策を検討してまいります。
これはぜひ進めていただきたい、世田谷区としても、これに補助をしていただきたいと思いますけれども、買換えに対してこういう手厚いサービスを東京都もやっているという中で、先ほどのない、命に関わる、そこに対する手だてが借金しかないというのは本当におかしいと思います。ここは考えていただきたいと思います。
次に、気候危機の問題で、建物の断熱化の促進、特に業務部門の取組について質問したいと思います。
区内のエネルギー消費の二四・二%、約四分の一を占める業務部門で、省エネ化推進のために店舗やオフィスの断熱化の推進を一般質問で取り上げました。この一般質問では、エコ住宅補助制度を住宅だけでなく民間の業務用の建物にも対象を拡大する方向で検討するという答弁もありました。
建物の断熱化を進める上で、世田谷区が取り組んできた建物の耐震化を進めてきた経過、経験が参考になるというふうに思います。阪神大震災で多くの建物が倒壊し、約六千人の命を奪いました。このときの調査で、昭和五十六年に改定された耐震基準の前と後で建物の倒壊に違いがあって、旧耐震基準の建物の耐震化が震災対策の大きなテーマとして焦点が当たりました。国は、倒壊による死者を減らすために、旧耐震基準の建物の耐震化を進める方針を打ち出した、耐震基準を満たす建物の割合を耐震化率として数値目標も定め、耐震化を推進しました。現在、世田谷区でも、当初の目標だった耐震化率九〇%を超えて九五%を目指しているというところです。耐震化推進のために、耐震診断をする専門家の派遣や耐震補強工事の助成制度を区はつくりました。しかし、当初、耐震工事はなかなか進まなかった。世田谷区の予算も毎年使い残していた。
私たちは、先進的に取り組んでいる静岡市の視察などもして、そこで成果を上げていた耐震基準で対象となる全ての建物の持ち主にローラー作戦で危険性や制度の周知を行う、これを世田谷でもやるべきだということを求めてきました。令和三年にようやく対象建物へのローラー作戦が世田谷でも始まっています。相談件数も増え、区民の関心も高まったというふうに報告も受けています。
建物の断熱化でも同様の取組が必要ではないでしょうか。既に断熱建物の基準もあります。断熱性能の診断は、国や東京都が専門家を派遣して診断する制度が既にあります。断熱工事のための補助は、世田谷区でも業務用建物を含めて推進しようとしていますし、国や都の制度も活用できると思います。問題は、区民が断熱化に踏み切るために、その必要性を自覚したり、支援の制度を活用するための手助けです。耐震化でローラー作戦をやったように、商店街や業界団体を通じて、軒並みの調査や断熱相談を進める手だてを取ることが、この分野の省エネ化、CO2削減の推進力となるんじゃないでしょうか。
経済産業部門として、こうした取組を商店会や業界団体、専門家、事業者、区民の参加と協働で進める体制を確立してはどうでしょうか。まずは話合いの場をつくったらどうでしょうか。
まず、環境部門から、この問題についての見解を伺います。
お話にございましたとおり、区内の脱炭素化を進めるには、区民だけではなくて、事業者の意識や行動の変容を図る必要がございます。しかし、今年、経済産業部で産業基礎調査を実施しまして、その中で環境経営についても調べたんですが、多くの事業者は、気候危機だとか脱炭素について関心は高いんですけれども、経営上、重要であるというふうにはあまり多くの事業者が考えていないというのが現状です。
したがいまして、呼びかけを行う以前に、省エネルギー設備投資のインセンティブの設計だとか、あるいは脱炭素経営による収益向上で、こういう事例がありますよというような紹介をして動機づけを行っていくような、事業者が経営戦略として脱炭素を行うことのメリットを打ち出していくことが先決だと考えています。今後、産業基礎調査の結果もより詳しく分析した上で、改めて制度設計や啓発の手法の構築を行っていきたいと考えております。
その上で、経済産業部と連携して事業者に対する周知を行い、事業者が脱炭素経営にかじを切りやすい選択肢を示して、事業者の脱炭素を促していきたいと考えております。
それでは、経済産業部の見解はいかがでしょうか。
ただいま環境政策部長から答弁したとおり、現時点では、脱炭素の行動が事業者の経営上有利であるということが明確に示せる状況にはなってございません。環境政策部と連携いたしまして、事業者の行動変容を促す制度を構築した後、経済産業部が持つ事業者へのネットワークを活用し、改めて周知を図っていきたいと思います。また、経済産業部門では、現在、中小事業者の経営に係る内容をはじめ、事業者の設備の導入など、中小事業者を取り巻く様々な課題に対し、経営総合相談として、専門知識を持った中小企業診断士が相談に当たってございます。その経営相談の機会などを通じまして、事業所の断熱化の効果の説明や省エネに対する融資や補助金等の情報提供も引き続き行ってまいります。
こうしたことも含め、中小事業所の断熱、省エネへの取組は、経営の安定、継続にとっても重要でございます。こうした取組を通じ、また、事業者の方々の具体的な行動の第一歩となるよう産業団体に啓発、協力等の働きかけを行うなど、機運醸成を推進してまいります。
ぜひ関係者を巻き込んで、みんなで勉強しながら、経営のためにも役に立つんだと、これを進めることが地球の未来のためにもなるんだということで、ぜひ推進していただきたいと思います。強く要望したいと思います。
それでは次に、公共施設等総合管理計画について質問をしたいと思います。
公共施設等総合管理計画骨子が示されました。そもそも公共施設等総合管理計画は、国が二〇一四年に、全国の自治体に財政状況や人口減少を数十年先まで推計して、公共施設の縮減を数値目標化することを求めたと、公共施設の床面積を七〇%に削減するなんていう乱暴なことが提起されてきた、そういうものです。しかし、人口が増え、九十万人を超えた世田谷区にとって、公共施設の量は十分なものとは言えません。さきの車座集会でも、区民の活動の場所がないという声が多くの会場で共通して出されています。区の計画は、区民ニーズをしっかりとつかみ、必要な整備を進めるという方針を取るべきです。
同時に、多くの施設の老朽化が問題になっています。また、都市基盤、道路整備などでは、そもそも必要ないと言って、住民が反対運動をするなど、住民の合意が課題となっているという問題があると思います。上からの押しつけではなくて、住民に正確な情報を提供し、住民参加で計画づくりを進めることが必要だというふうに思います。区民の課題解決などを整理して、自主性を発揮する計画とするべきです。
次期基本計画の素案では、社会インフラの計画的な整備・維持・更新に取り組むとともに、防災・減災の視点を加味した災害に強い街づくりを進める、公共交通環境の維持・確保、整備を図るとともに、地域や文化に根差した歴史ある風景、街並みを守るというふうに書いてあります。これは非常に重要だと思います。現状の区民の課題に向き合って、必要な施設の整備について積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
そこで、骨子案で気になることがあります。一つは、ユニバーサルデザイン、障害者、性の多様性などへの対応の視点が抜けちゃったんじゃないかということです。これはぜひ改善を求めたいと思います。
そして、もう一つ重大なのは、新たなる課題というところで、有事への対応というのが出てくるんです。この有事とは一体何を指すんでしょうか。戦争のことなんでしょうか、どのような対応が必要なんでしょうか、全く不明確です。このような記述をなぜ行ったのか、有事への対応を世田谷区として行うこと、公共施設整備の方針に盛り込むことの理由を区民に分かるように説明してください。
国民保護法では、武力攻撃事態等に備え、国民保護法施行令で定める基準を満たす避難施設を都道府県知事があらかじめ指定することになっております。昨今の北朝鮮からの度重なるミサイル発射や、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢が緊迫する中、政府は、令和三年度から七年度末までを集中的な取組期間として、ミサイル攻撃等からの被害を軽減するため、緊急一時避難施設の指定を推進するよう要請を行っております。
これに基づきまして、都は、地下駅舎や地下道を新たに指定するなどの取組を進めており、区におきましても、都からの依頼に基づき、緊急一時避難施設の拡充に取り組み、令和五年九月十五日現在、学校や区民集会施設、児童館など百八十五の区立施設が都により指定されております。
区では、今後も都と連携して指定施設を追加していく予定であり、区民の安全安心という観点から、公共施設等総合管理計画における有事の際への対応の視点は必要なものであると考えております。自然災害への対応も含め、適切な公共施設管理を進めてまいります。
ミサイルが飛んでくるかもしれないから、公共施設を避難所として準備しなきゃいけないと、これは戦争の準備じゃないでしょうか。
平和憲法の下で、自治体が進める住民福祉の増進に使うべき予算や労力を戦争準備に使うというんでしょうか。国がミサイルに備えると言えば、それでは戦争準備、戦争に対応するということなんでしょうか、それでいいんでしょうか。戦争準備は自治体の仕事ではありません。国際間の紛争は国が平和的外交で解決すべき問題であり、地方自治体がそのような心配をしなくてもいいように、国に対してちゃんと外交をやってくれと意見を上げることこそが、世田谷区の役割じゃないでしょうか。
軍事的な対応、戦争の準備、これは自治体の仕事ではありません。有事への対応の記述は削除すべきだと思いますが、区長はこの問題についてどう思いますか。
区の仕事として、住民の安全、生命、財産を守るということは基本でありまして、自然災害をはじめ、いかなる事態でもその使命を果たすべく努力するのは当然だと思います。他方で、ウクライナに対するロシアの軍事侵攻で明らかになったように、もともとウクライナでも旧ソ連邦ということで地下シェルターが準備されていると。日本の場合、地下シェルターなり、地下の避難施設というものは特にございません。戦争はないということを前提に、原子力発電所も日本海に面して林立させているわけでありまして、では、これを全部、核も含めた、いわゆる戦争対応型に変えるとなれば、公共施設の配置そのものが大幅に変わるというよりも、異次元になると。
なので、私どもは、こういったいわゆる有事ということについて、そうなったら何もできないではなくて、やはり住民の生命、財産を守るということを懸命にやるということを基本にしながら、委員おっしゃるように、平和的な解決、平和の環境の維持ということを社会の合意にしていくという役割を果たしていくべきだと思います。
国がミサイルが飛んでくるかもしれないぞという中で、それに対応するんだということが本当に自治体の仕事なんでしょうか。いかなることにも備えなきゃいけないというふうに区長は言いますけれども、ミサイルが飛んでくるなんていう話を考えなきゃいけないような事態なんでしょうか、今そういう国際情勢なんでしょうか、日本と周辺諸国との関係はそういうことなんですか、区長、どうですか。
確かにここ五年、十年と、国際情勢の変化の中で、日本を取り巻く諸情勢というのは決して穏やかなものではないと思います。しかし、だからといって全ての――今、戦争となると、まさにかなりの破壊を伴う、武器が発達しておりますので、これは始めたらもう後戻りはできないというような想定で、部分的な紛争というのはなかなかしにくい状態なので、やはり平和をしっかり維持していくということを貫く中で、安全な環境を保つよう求めていきたいし、その考え方を基本にやっていきたいと思います。
区の計画に有事なんていう言葉を書いて、ミサイルに備えるという姿勢を示すことそのものが戦争に向かってあおっていくような、そういう役割を果たしてしまうんじゃないかというのを私は危惧しています。
そういう姿勢を、態度を世田谷区は取るべきじゃない、このことを強く求めまして、私の質問を終わりにします。