決算特別委員会 令和5年10月17日(補充質疑)

2023/10/17

質問項目

 

質問

外環道について

中里光夫 委員

 それでは、日本共産党の補充質疑を行います。

 最初に外環道についてです。

 十月十五日付のしんぶん赤旗日曜版のスクープで、外環道に新たな陥没という記事が出ました。場所は調布、狛江の野川のサイクリングロードです。世田谷区に隣接する谷戸橋付近の路面に直径十センチほどの穴が複数空いたというものです。

 ここは以前、平成三十年にシールドマシンが通過した東名ジャンクション付近の野川で、酸素濃度の大変低い危険な気泡が出たと、これが話題になったことを記憶している方は多いと思いますが、今回の現場は、令和二年に同様な気泡が出たことで問題になったという、その場所です。

 赤旗の記事では、警備会社からのメールで、この陥没情報を鹿島JVや大林JVが共有していたと、九月十二日付のメールの内容が紹介されていました。そして、鹿島JVがこっそりと埋め戻していたと。

 この場所は野川の土手の上で、狛江市が河川の占有許可を受けてサイクリングロードにしているところです。道路管理者は狛江市になります。

 赤旗は、狛江市議と狛江市の担当者とともに現場を確認しています。市の担当者は、誰が直したのかも分からないと、そこで説明をしていると。管理者に無断で工事をすることは、河川法に違反する疑いがあると、国交相の担当者のコメントも紹介しています。

 土手に穴が空いていたら、アリの一穴という話もありますが、堤防の決壊にもつながるような危険な場合があるかもしれませんし、管理者に無断で工事をしていたのなら、安全管理上大きな問題があるのではないでしょうか。

 この十五日付の赤旗日曜版が発行されたのは十二日なのです。この十二日に赤旗の公式SNSからスクープ情報がネットに流れました。そうしましたら、その日のうちに、NEXCO東日本はホームページでこの件を公表しました。タブレットに資料が入っていますが、一番目の資料がその資料になります。穴を確認し、補修を行った、道路管理者への連絡が遅れたと事実を認めています。

 これですね。この三回にわたって穴を見つけて直しましたというようなことも書かれています。

 経過を見れば、NEXCOは、赤旗の報道を見て、慌てて事実を公表したと見て間違いないと思います。問題なのは、この場所は、外環道のシールドマシンが通過していた時期に、野川に気泡が出ていた世田谷区に隣接した場所で、小さな穴が幾つも発見されたということですね。

 ここでも出ていますが、もう一つの②の資料が、この令和二年に気泡が出たときの資料なのですが、このA、B、Cというところが気泡が出た位置です。そして、ここのBというところが今回、穴が出た場所と、もうほぼ一致する場所になっています。

 やはりこの周辺で、地盤に影響が出ているのではないか、このほかにもこのような場所があるのではないかと心配になってきます。

 令和三年三月の我が党の質問で、当時、空洞調査を行ったレーダー車、当時、レーダー車が走っていました。異常信号を十八か所も検出していたと。

 それから、成城四丁目のあるお宅では、庭に直径十センチ、深さ約一・三メートルの穴が二つ空いたということを言っていますが、資料の三つ目の写真、これがこの成城四丁目のお宅で、当時の写真です。区民の方から写真を提供していただきました。

 当時、トンネル工事の担当の大林組が簡単な調査を行って、穴を埋め戻したと。専門家委員会はそのとき、問題なしという結論を出しましたが、ボーリング調査などは行われなかったのだと住民の方はおっしゃっています。

 狛江の穴は、これは最近見つかったものです。改めてボーリング調査など徹底した調査が必要ではないでしようか。

 NEXCOに対し、世田谷でこのようなことがないか確認すべきです。また、こうした陥没や地中の空洞がないか、改めて調査させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

青木 道路・交通計画部長

 狛江市が管理する野川サイクリング道路における舗装の損傷を外環事業者が応急復旧したことは、先週十二日に公表されました。事業者に確認したところ、区内でシールドトンネル工事の影響による陥没などの事象は確認をされておりません。

 また、令和二年十月に調布市内で発生した陥没事故の後、事業者は本線トンネルの掘進完了区間で調査を行い、区内ではシールドトンネルの施工が要因となる空洞の形成や、補修等の措置を必要とする地盤の緩みが生じている可能性は極めて低いことが有識者委員会で確認されております。

 今回の狛江市が管理する野川サイクリング道路で発生した事象については、シールドトンネルの施工の影響であるという可能性は低いことを、事業者は有識者に確認をしております。

 一方、大深度地下を使用したトンネル工事による地中、地表の関わりは十分に解明されていないものと私どもとしては認識をしております。また、地域の安全安心を高める取組の一つとして、本線トンネルの掘進完了区間を監視員が継続して巡回を行っております。

 区といたしましては、先日公表された舗装の損傷の原因が分かっていないことから、今後の状況を注視しつつ、引き続き事業者に対し住民の不安の解消に努め、丁寧な対応をするよう働きかけをしてまいります。

中里光夫 委員

 調布では、例の陥没事故があった周辺は、このトンネルの真上の家を立ち退かせて、大規模な地盤改良工事を行っています。地表には影響を与えないという大深度法の根拠そのものが崩れました。外環道整備は中止すべきだと私たちは考えています。周辺自治体と連携し、国に対し、工事の中止を求めるべきだと思いますが、区長の見解を伺います。

保坂 区長

 まず、今回の狛江市における陥没というか、穴が空いているのを自治体及び関係機関にも連絡不十分で埋め戻していたということは大変遺憾に思います。やってはならないことだと。

 外環道について、この間、世田谷区が土地を提供するに当たって、七つの項目、これは環境に対しては徹底的に配慮してくれとか、小さな事象であっても全て報告をするように、また、住民が求める、あるいは不安が拡大したときには、速やかに説明をしてほしい等々を七項目に記し、なおかつ、外環事務所長、NEXCO事業者にも、これは度々要請をしております。

 調布の極めて大きな陥没は、家屋の立ち退きで無数のくいを打つという形で何とか対応しようとしていますが、これ自体も想定外の事象であります。そういう意味では、今回、この気泡の場所との一致の御指摘がありましたが、一体何が原因でこういった穴が複数空いたのか、そして、これまではどうだったのか、これからどうするのか、そのメカニズムを、やはり検証すべきだということを外環事務所に申し上げていきたいと思います。調布であれだけ大きな事故がありましたので、ここはまだ工事が予定されておりますので、ここは極めて深刻に受け止めているということを申し上げたいと思います。

 外環道の整備については、地域住民の安全を第一として、その情報提供と丁寧な対応を、言わばその不安要因を全部解消するということを徹底してやるように、私自ら国に要望してまいります。

中里光夫 委員

 メカニズムの検証を求めていくということですが、やはり私たちは、そもそも外環の工事は中止を求めていくべきだと考えますが、せめてこのメカニズムを解明するためにも、本格的なボーリング調査などを求めていくべきではないかということで求めておきたいと思います。

ジェンダー主流化について

中里光夫 委員

 では、次の質問に行きたいと思います。次は、ジェンダー主流化について。

 ジェンダー主流化をあらゆる政策の立案、実施に当たって、ジェンダー平等の観点からチェックをすると。ジェンダー主流化は、区の政策にもなっています。未来つながるプランでは、SDGsの推進の一つとして、ジェンダー主流化の視点を持つことが示されています。

 次期基本計画(骨子)には、ジェンダー主流化の言葉は出てきません。他会派の質問で、区は重点政策の、誰もが取り残されることなく、生き生きと暮らせるための支援の中に、ジェンダー平等に向けた男女共同参画の推進が入っているから、これでよいではないかという答弁があるのですが、私は基本計画の中にジェンダー主流化の言葉そのものをしっかり明記していくべきだと考えます。

 ジェンダー平等は、人権擁護を求める世界的な大きな流れです。女性が社会的に差別、抑圧されてきたということが事の本質だと思います。差別、抑圧してきた側に属する男性は、差別、抑圧の実態をなかなか自覚しづらいと。

 例えば、私自身は、電車に乗って恐怖を感じるということはありません。しかし、女性にとっては、痴漢被害に遭う可能性があるなどと緊張したり、怖い思いを日常的に感じているのだという話を女性の方としますと、全くそのとおりだと言って、自分の怖かった体験などが次々と出てくるということを、私自身、たくさん体験しています。

 痴漢は性犯罪です。二〇二〇年に日本共産党東京都委員会ジェンダー平等委員会と東京都議団が痴漢実態調査を行って以降、この問題が政治の場で議論されるようになってきました。

 二〇二〇年のこの調査には千四百三十五人の回答があり、回答者の八二・八%が女性、回答者の九六・〇%が被害を受けたと。その多くが電車の中、路上、駅の構内、図書館などで被害を受けています。

 初めて被害に遭った年齢は、十八歳以下が七一・五%、そのうち小学生以下が三四・五%、子どもの頃から被害に遭っているのです。そして、五四・五%がそのときに何もできなかった、そして、電車に乗れなくなったとか、フラッシュバックに苦しんでいるとか、男の人が怖くなったなど、その後の人生に大変な打撃となっていると。被害を誰にも話せなかった人が約四割、話した場合も、被害を軽視されたり、逆に被害者が責められたりの二次被害に遭っています。

 昨年六月には、内閣府が国として初めて大規模調査を行いました。今年の三月、政府は、痴漢ゼロに向けた痴漢撲滅政策パッケージをまとめました。内閣府の調査では、十六歳から二十四歳を対象に行った調査に回答を寄せた六千二百二十人のうち、千六百四十四人、二六・四%が、何らかの性暴力により被害を受けたと答えています。

 この調査で明らかとなった痴漢被害の実態は大変衝撃的なものです。しかし、男性である私は、ふだんなかなか実感できないというのが正直なところです。

 女性の話を聞いて、こうした数字を突きつけられて、被害の深刻さに気づき、日々危険にさらされ、緊張している女性の立場を理解することができると。

 遅まきながら私もフェミニズムの勉強を始めたのですが、この差別をする側は自覚がない、だから、痴漢の話が出ると、被害者も悪いとか、薄着をしていたのが悪いなどの話が出て、二次被害となってしまうと。

 痴漢は性暴力であり、加害者が悪いということが、まだまだ当たり前の認識になっていないということの表れです。ジェンダー平等を目指すには、男性の側がアップデートすることが必要だということを私自身感じています。

 ジェンダー平等をあらゆる場面で徹底するジェンダー主流化を進めるためには、意思決定に関わる幹部職員が、ここにいる皆さんも男性がほとんどですが、問題を自覚できない男性ばかりでは、問題を見過ごすことになる、女性の比率を高める必要があるということは本当にここにあるのだと思います。しかし、それを待っているわけにはいきません。男性が自覚できないということを自覚する、そのことに気づく、そして男性自身がアップデートしていくことと、女性の意見や要望を積極的に取り入れる努力をすることが必要だと思います。男女共同参画の部署の見解を伺います。

渡邉 生活文化政策部長

 男女共同参画社会の実現のためには、区のあらゆる部署の職員が、全ての事業においてジェンダーの視点を踏まえて業務を進めていく必要があると認識しており、現行の男女共同参画プランにおいて、区政におけるジェンダー主流化を明記しているところでございます。

 こうしたことを踏まえまして、部長級で構成する男女共同参画推進会議において、審議会への女性の登用、ワーク・ライフ・バランス、DV被害者支援、性の多様性への配慮等について、各部に積極的かつ丁寧な対応を依頼しているところでございます。

 さらに、議会からの御指摘を受け、先月末には領域分野の個別計画へのジェンダー主流化の視点の反映について各部に依頼したところでございます。自覚というお話がございましたが、男女に限らず、まずは管理職がしっかり自覚し、ジェンダー主流化の理解を深めていくことが重要だと考えてございます。

 その上で、今後は職場において具体的に推進していけるよう、考え方や進め方に関する手引を作成するとともに、男女だけではなく、LGBTQなど多様な性を含めた全ての人々の平等に根差した取組となるよう、庁内各部と協力して進めてまいります。

中里光夫 委員

 一般質問や企画総務の領域で、新たな行政経営への移行実現プランに取り組むに当たって、魅力ある職場をつくろうという話をしてきました。政策経営部が旗を振って、全事務事業の業務改善に取り組んでいるということですが、その中でジェンダー平等の視点はとても重要だと考えます。政策経営部が中心になって、女性が半分以上で構成するプロジェクトチームをつくって、ジェンダー問題を学び、そしてジェンダー視点での点検作業を行うという仕組みをつくってはどうかと提案しますが、いかがでしょうか。

有馬 政策経営部長

 今お話のありました(仮称)新たな行政経営への移行実現プランに掲げる取組を進めるためには、官民問わず人材獲得競争が激化する中、職としての公務員の魅力を高める上で、魅力ある職場環境づくりは欠かせない視点でございます。

 加えて、職員一人一人の能力を最大限発揮できる組織体制の構築や、職員のモチベーションの維持向上にも寄与するものと認識しております。

 魅力ある職場環境づくりを実現していくためには、いわゆるジェンダー主流化、さらにはLGBTQなど多様な性も含めた視点からの気づき、また、年代や各職員の置かれた環境等、様々な視点を踏まえた上で、各職員の力を発揮できる職場をつくっていくことが重要であると考えています。

 令和六年度から始まる基本計画や、先ほど申し上げた(仮称)新たな行政経営への移行実現プランをはじめとした、区が策定する各計画の検討を通して職員の理解を促し、全ての人々の平等に根差した計画や取組となるよう、関係所管と連携し実現してまいります。

中里光夫 委員

 ぜひ、そこの検討するプロジェクトチームみたいなものを実際につくって、具体的にチェックしていく、点検していくということを目に見える形で示していただけると、職員もここの分野で進んだなと実感もできると思いますし、そこを頑張っていただきたいと思います。ぜひ具体化を進めていただきたいと思います。

気候危機対策について

中里光夫 委員

 では次に、気候危機対策について質問を進めます。

 昨日の報道で、特別区長会が連携して、二〇五〇年までの温暖化ガスゼロを目指す脱炭素化に向けた共同宣言を発したとありました。電力の共同購入や中小業者の脱炭素化の支援をということですけれども、具体的にはどのような合意がされたのでしょうか。

中西 環境政策部長

 お話の共同宣言の内容ですが、区民や団体、事業者、金融機関、教育機関などいろいろな主体と連携して、環境、経済、社会の課題を同時に解決するというものです。合意の内容はそこまでですが、その宣言の実現に向けて特別区長会で温室効果ガスの排出削減のための具体的な取組を四つほど検討しているところです。

 一つは、再生可能エネルギー由来の電力を利用していこうということで、二十三区で共同購入をしたり、リバースオークション、競り下げ方式のオークションを利用して、なるべく安く大量に電力を確保して区有施設で使っていこうというもの。

 二番目は、メガバンク三行と連携協定を結んで、中小企業の脱炭素化を支援していくというもので、金融機関がCO2排出量算定ソフトを提供して、その結果を分析して、脱炭素経営はこうやったらどうですかという提案をするというコンサルティングと、それに伴って公的な助成制度の紹介をしたり、ファイナンスリースサービスを提供するというものです。

 三番目が建物、住宅のZEB、ZEHの普及で、そのための人材育成や事例の共有をしていくというもの。

 四番目が、森林環境譲与税を使って、地方の森林整備を進めることでCO2吸収量の確保を加速していこうというものです。

中里光夫 委員

 非常に前向きな合意ができたなとも思います。私は今回の議会の中で、事業者部門での脱炭素化に向けた取組ということでいろいろ提案もしてきましたが、この今の合意の中では、中小企業の支援というものが大きな柱の一つとなっていると思います。経済産業部としての受け止めはいかがでしょうか。

後藤 経済産業部長

 受け止めということですが、まず前提といたしまして、中小事業者の方々の経営安定、継続にとって、脱炭素に向けた断熱、省エネ等への取組は重要なテーマであると認識してございます。

 こうした意識を浸透させまして、実際の行動として事業者の方々が取り組めるよう支援をしていくことが、区としても喫緊の課題と認識してございまして、現在でも経営相談などを通じて情報提供や具体的な支援策への誘導を図っているところでございます。

 こうした前提を踏まえまして、今回出されました、区長会が金融機関と締結した連携協定ですが、各区の地域実情を踏まえ、その地域に根差した事業者との連携も考慮するとされてございまして、こうした点も含めて、科学的な根拠を基に脱炭素化を推進する環境部門と、地域経済の持続可能な発展を目指して、中小企業の経営を支援する産業部門が密接に連携して取り組んでまいりたいとも考えてございます。

中里光夫 委員

 ぜひこの分野で、世田谷はすごいなと言われるような取組を進めていただきたいと思います。

公共施設での創エネについて

中里光夫 委員

 では次に、それに絡みまして、公共施設での創エネについて質問したいと思います。

 この気候危機問題について、建物の省エネを推進するという提案は、この間、議会でお話をしてきました。今日は、このエネルギーをつくるというほうで一つ提案したいと思います。これまで区内で再生可能エネルギーと言えば、建物の屋根に太陽光パネルを設置することぐらいだったと思うのです。

 これはソーラーシェアリングという考え方があります。地べたは従来の利用をしながら、その上に太陽光パネルを短冊状に隙間をつけて設置する。農地などで、農業を続けながら、売電収入も得られる方法だということで注目もされているやり方です。

 これは農地に限らないのではないかと。区役所の駐車場の上にソーラーシェアリングで太陽光発電はできないかと。日陰もできて、駐車場も利用しやすくなるのではないかと、私は駐車場を使っていて思いました。

 それから、駐車場に限らず、公共施設や公有地で、太陽光パネルを設置できるところがあるのではないかと非常に気になり出しています。
 CO2排出実質ゼロを実現するためには、こうしたあらゆる可能性を追求しなければならないと思います。まずは公共施設の青空駐車場でソーラーシェアリングを行えないか、見解を伺います。

佐々木 施設営繕担当部長 

 区では、区内最大の事業者として環境負荷の低減に努め、CO2の排出削減に取り組んでおりますが、そうした取組を促進していくため、創出エネルギーの一つとして、太陽光発電設備のさらなる活用が重要と認識しております。

 お話の公共施設の駐車場など、現在屋根のない駐車場へ新たに太陽光発電用ソーラーパネルを設置するには、駐車スペース上部に屋根状の工作物の設置が必要となり、建築基準法上の建蔽率や容積率、構造規定、防火規定などの法適合や、設置に伴う費用対効果の検証など多くの課題がございます。

 区では、これまでも公共建築物の整備において、屋上などへの太陽光発電設備の設置に積極的に取り組んでまいりましたが、現在検討を進める公共建築物のZEB化の実現においても必要な設備と考えております。

 現在、実用化に向け開発が進められておりますペロブスカイト型太陽電池は、フィルム化による軽量化や、折り曲げられるなど、これまで設置できない箇所への設置が可能になることが期待されております。こうした技術革新にも注視しながら、今後お示しするZEB指針などに基づき、さらに環境負荷の少ない公共建築物の実現に取り組んでまいります。

中里光夫 委員

 新しい技術も本当に注目だと思います。それから、今のお話では、規制がいろいろあって課題も多いということのようですが、ぜひ検討も進めていただきたいですし、規制や課題について、国の制度も変えなければならないのではないかとも思います。課題については社会に、ぜひ問題提起を世田谷から発信していただきたいと思います。

避難所のエアコンについて

中里光夫 委員

 次に、避難所のエアコンについて質問したいと思います。

 我が党は、エアコンが使える避難所ということを繰り返し求めてきました。停電していてもエアコンが使える環境をと。熱中症対策として命に関わる問題です。そして、これまで体育館や格技室に都市ガスが生きていれば、停電していても稼働する、電力も供給できるという自立型ガス式エアコンの導入は進んできました。小中学校九十校中三十九校に導入されています。しかし、残り五十一校には自立式エアコンがありません。

 また、他会派の質問にもありましたが、都市ガスが止まってしまえば使えません。足立区で導入しているように、非常時にはプロパンガスが使える自立型エアコンに切り替えていくという仕組みを導入していくことが必要だと思います。これをぜひ進めていただきたいと思います。

 また、学校建て替え時には、自立型を導入するというように進めていただきたいと思います。残り五十一校にはこの自立型のエアコンが入っていないという状況で、これをどう進めていくかと。

 昨年の決算特別委員会で、教室のエアコンの入替えの際に自立型の導入を進めてはどうかという提案をいたしました。体育館や格技室に導入されていない学校でも、一部の教室でも、どこかしらエアコンが使える、非常用の電源も使える、そういう環境をつくることが、災害時の対応として、区内でそうした仕組みをつくっていく上で非常に大事ではないのかと。教室も避難所として使っていく場所です。

 そのときの答弁は、関係所管と連携して検討を進めていくというものでした。現状はどこまで進んだのか、これからどう進めていくのか、答弁を求めます。

知久 教育政策・生涯学習部長

 昨年十二月に小・中学校における普通教室等の空調設備の更新についてを取りまとめ、整備年度を令和五年度から令和九年度までとし、計画的に更新整備を進めております。

 この計画では、早期に更新するため、現在の設備の動力源である電気式やガス式、配管等を生かしつつ、空調機器の取替えを基本に、設置年数が古い学校から順次取り組む計画としております。

 委員御指摘の自立式ガスエアコンですが、既存の教室への整備に当たっては大規模な工事が生じること、大幅な経費増が見込まれ、空調設備の仕様や経費など課題がございます。

 こうしたことから、改築の機会を捉えた導入など、政策経営部をはじめ、施設営繕担当部、危機管理部等と連携し、検討してまいります。

中里光夫 委員

 建て替えのときには考えるが、今の計画では自立型の導入はやらないよという答弁でした。しかし、この答弁で、大規模な経費が生じる、大規模な工事が生じると。全部やれと言っているわけではないのです。五年かけて六十五校のエアコンを入れ替える計画ですが、ほとんどの学校でガス式と電気式が混在しているということです。その中の、だから、方式を変えろとまでは言っていない。体育館が自立式でなくても、教室にガス式が使われているところの、そのうちの一系統だけでよい、その学校一か所でよい、そこを自立型にする。このスケジュールに影響を与えるような大きな変更なしで、災害時のエアコンと電源の確保が進む、こういう提案を私はしているのです。足立区では全校でできています。

 先ほどの他会派のやり取りで、学校の施設は、教育だけではなくて、災害なども含めてトータルで検討をするのだと、政経部も含めて、そこの検討を進めるのだというお話がありました。しかし、これは全く検討されていないのではないでしょうか。

 この決めた計画をただただそのまま進める、教育所管が決めた計画そのままだということではないでしょうか。私は、災害のときの利用も含めた改善を提案しているのです。この問題を改めて検討するべきではないでしょうか。政策経営部、いかがですか。

有馬 政策経営部長

 他会派からも御質問いただいておりまして、先ほども申し上げましたとおり、中村副区長から私宛てにも指示が出ています。今、様々お答えもしましたし、各委員からも御提案等いただきましたので、改めて災害時の避難所における電力の問題、その確保の問題については、これまで申し上げてきた各部と連携して進めてまいります。

中里光夫 委員

 しっかりと検討を進めていただきたいと思います。

大規模未利用地の活用について

中里光夫 委員

 それでは、大規模未利用地の活用について質問したいと思います。

 今議会で、自衛隊用賀駐屯地の移転が報告されました。隣の国立衛生研究所跡地と合わせて、広大な未利用地が生まれます。

 また、私の地域の代沢では、会計検査院の公務員宿舎跡地が長年にわたって放置されています。代沢にあります。こうした大規模未利用地について、世田谷区としての積極的な活用を検討すべきだと思います。

 北沢地域では、高齢者施設や公園が不足しています。地域密着型小規模多機能居宅介護は、全地区展開が区の方針ですが、北沢地域では、六地区中、梅丘地区にしか整備がされていません。

 また、区内の特養老人ホームは、建て替えの時期が迫っています。特養老人ホームの施設長会からは、区として建て替えの支援を行ってほしい。例えば建て替えている間使用できる仮の施設などを用意してもらいたい、こんな要望も出ています。

 自衛隊の用賀駐屯地跡地、そして国立衛生研究所跡地、会計検査院宿舎跡地などの大規模未利用地の活用について、区の考えを教えてください。

有馬 政策経営部長

 国などの大規模な跡地は、区内にある貴重な未利用地であり、これまでも区は、国家公務員削減計画に位置づけられた国有地などを活用し、保育園や特別養護老人ホーム等の施設整備を進めてまいりました。

 活用の検討に当たっては、利用が可能となる時期のほか、立地条件や周辺環境、当該地に係る方針や計画上の位置づけなども踏まえ、総合的な観点から行う必要がございます。今後、公共施設の改築が本格化する中、仮設建築の在り方や、不足している公共施設機能などをどのように整備していくかは非常に大きな課題であると認識しております。

 今後とも国有地等の情報収集に努めるとともに、区の行政需要や地域ニーズ等を踏まえて活用の必要性を確認し、区としての活用の有無や具体的な活用案について考え方をまとめ、時期を逸することなく、国や都に働きかけてまいります。

中里光夫 委員

 終わります。

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